インタビュー

ベンチャーへ行く不安より「このまま30代になる焦り」が強かった。成長スピードを求め外資IT大手を飛び出した男の現在地

外資系大手IT企業の安定した環境を捨て、BearTailへジョインした寺田太一氏。その背景にあったのは「成長スピードが遅い環境への焦り」だったという。長期にわたり基幹システム構築を行うシステムエンジニア(SE)から、次々と決断を重ねてプロジェクトを回していくベンチャー企業のカスタマーサクセス職へ。不安を乗り越えて転職した先に得られた価値とは。

〈Profile〉
寺田 太一(てらだ・たいち)
株式会社BearTail Expense事業部 カスタマーサクセス部 コンサルタント
早稲田大学国際教養学部卒業。2014年に日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社へ入社し、法人向け基幹システムの開発を担当。2018年4月にBearTailへジョインし、プロダクト導入のコンサルタントとして多数のクライアントをサポートしている。 学生時代にインターンでBearTailの事業に関わった経験を持ち、2013年から約1年間は節約をはじめお金周りの情報を発信するオウンドメディア「Dr.Walletナビ」の編集長を務めた。

外資IT大手は「変化に乏しかった」。“モヤモヤ”を拭うべくベンチャーへ転職

――ファーストキャリアは外資IT大手のエンジニアなんですね。

寺田:学生時代の就職活動では、「社員教育にどれくらい投資をしているか、土台となる学びを得られるか」という観点で入社先を考えていて、その点ではベンチャーよりも大企業に分があると当時は思っていたんですね。いわゆる「普通の会社」の働き方も体験でき、いろいろなビジネスの内情を知ることができるITやコンサル、金融業界の大企業に絞って就職活動をしました。

SEになったのは、ITが不可欠な存在となっており、世の中にある様々なサービスの裏側でどういう形でシステムが動いているのかを知ることで、ビジネスモデルも分かるのではないかと思ったからです。

――当時はどのような開発案件に従事していたのでしょうか。

寺田:自動販売機を設置・運営する会社の基幹システムを再構築する大型プロジェクトに携わっていました。入社してから退職するまでの4年間、一貫して関わっていたプロジェクトで、オフショア開発を進めていたためインドのエンジニアとやり取りをする機会もたくさんありました。

通常は開発やテストからプロジェクトに参加する中、私は要件定義から参加するチャンスを与えられました。最年少のメンバーでありながら、数多くの仕様書を作成し、開発・テストのフェーズでインドへ渡ったりもしました。インドでは、橋渡し役を担う「ブリッジSE」のような立ち位置で、現地メンバーとプロジェクトを進めました。

いい会社だったと思います。特に文化的な背景が異なる人たちとコミュニケーションを取り、職場のキーマンを巻き込んでいく仕事を経験できたことは良かったですね。

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――面白そうな仕事ですね。環境にも恵まれていたのに、なぜ転職したのでしょうか。

寺田:先ほど申したようにSEになったのは「いろいろな業界・事業に触れたい」と思ったからなのですが、実際は大型プロジェクトに数年スパンで拘束されてしまい、限られた世界での仕事しかできていないと感じてしまったんです。

変化が乏しい中では成長の機会が限られるのでは? 多くの案件を早いスパンで回していける場所へ移るべきでは? そんなモヤモヤを拭えませんでした。

入社4年目を迎え、システム設計に関しては一周ぐるっと見られた手応えを感じたので、次のステージとしてBearTailへ転職する決意を固めました。

ベンチャー転職より大手に長く勤務する方がリスク。「30歳まで留まったら…」という焦りが、不安に勝った

――寺田さんは、BearTail創業初期から経営陣とのつながりがあったと伺いました。

寺田:社長の黒﨑をはじめとした経営陣と知り合ったのは学生時代、BearTailが設立された2012年の終わり頃だったと記憶しています。家計簿アプリ「Dr.Wallet」投入前後の時期で、「面白そうな事業だな」と感じていろいろと手伝っていました。

――旧知の人物が率いる会社とはいえ、大企業からベンチャーへ転職するのには不安もあったのでは。

寺田:もちろんありました。万が一BearTailがダメになってしまったらどうするのか。転職しても、結局は多くを学べないということもあり得るんじゃないか…。いろいろなことを考えましたよ。

ただ、その不安よりも「この職場に30歳まで留まったらどうなってしまうのか」という焦りのほうが強かったんです。当時は27歳でしたが、あと3年間を変わらない環境で過ごすことのほうが怖かった。上を見れば、40代のプロジェクトマネジャーやリーダーは、同じことをずっと繰り返しているような印象もありました。

――最終的に「BearTailでやっていこう」となる決め手になったものとは。

寺田:逆説的な言い方になりますが、「BearTailには課題が山積していたから」だと思います。

クラウド型経費精算システム‎「Dr.経費精算」の事業が順調に伸びていることは知っていましたが、あらためて黒﨑とじっくり話してみて、システム面や会社の管理体制等では改善の余地がまだまだあることが分かりました。問題が山積している分、成長のチャンスがあるということじゃないですか。チャレンジすれば、経験という対価は必ず得られると思いました。

カスタマーサクセスはBearTailの根幹。「ここが止まった瞬間に会社の成長も止まる」

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――カスタマーサクセス職でジョインしています。前職で経験した開発系のポジションを選ばなかったのはなぜですか。

寺田:まずはサービスが実際にどう使われているのかを理解しなければならないと思ったからです。入社後10カ月くらいまでは、カスタマーサクセスとして顧客の運用状況を直接ヒアリングし、それを開発部へフィードバックして機能を改善したり、新たな要件を定義したりといった作業を進めていきました。

――現在のミッションは。

寺田:カスタマーサクセス部であることは変わりませんが、プロダクトマネジャーに近い立場だといえるかもしれません。社内のハブとして開発や営業の橋渡し役を担い、新たな方針を決める際にはCTOら経営陣を交えて顧客目線で考えていきます。誰かから求められて、というよりは、自分自身でこのポジションを作ってきた感じです。

私がそうして自然に動けるのは、BearTailが大切にする3つのバリューがあるからだと思います。問題を素早く解決する「Move Fast」、“他責NG”で互いに尊重しながら動く「Teamwork」、そして顧客の成功を追求する「Customer Success」の3つです。掲げているだけではなく、これらのバリューが本当に社内で大切にされているので、私も自分の経験と役割を重ね合わせてやるべきことを見出だせました。

バリューの一つがそのまま部署名となっているカスタマーサクセス部は、BearTailの根底を支える部門だといえます。顧客と距離が近い位置でバリューを体現しているチームであり、責任感を持って最後まで行動する人が集まるチームでもあります。ここが止まった瞬間に顧客の声が届かなくなり会社の成長も止まってしまうので、やりがいとともに大きな責任を感じています。

――「3つのバリュー」についてご紹介いただきましたが、寺田さんがBearTailにジョインしてから、バリューの浸透を感じるのはどんな時でしたか。

寺田:2019年にリリースした「ペーパーレスプラン」というサービスを実現するまでの過程は、印象的です。

経費精算という業務は、経理部門が原本を確認するために、どうしても紙が発生してしまいます。この作業はやはり無駄だということで、聖域に挑むつもりでペーパーレスプランのサービス化プロジェクトが始動しました。動きだしたのは2019年初頭のことです。

黒﨑が掲げたリリース目標は「2019年春」。僕は当初、さすがにこの目標の達成は難しいだろうと考えていたんです。というのも、他社であれば通常は1年前後かけて作り上げていくような規模でしたから。黒﨑の言う目標通りに進めるには、残された時間は数カ月しかありません。

しかし、社内には“逃げモード”になる部門は存在しませんでした。営業はまだサービスが形になっていない段階で顧客への提案を始め、マーケティングも着々とPR戦略を進める。開発は「プロジェクトの方針を決めて仕様書を書いてレビューして…」といった通常のフローではなく、仮説ベースで動き、走りながら課題を検証し解決していきました。

そうして全社一丸でリリースしたサービスは顧客満足度が高く、現在ではこのプランの存在を理由に導入を決めてくださる企業も増えています。「Move Fast」「Teamwork」「Customer Success」のバリューを体現する仲間の圧倒的な使命感と行動スピードに触れて、達成感と感動に包まれました。「これがBearTailだ」と。

大手の“ぬるさ”とは一線を画す環境。圧倒的スピード感の中で急成長したい人には、最適

――では現在、BearTailに対してどのような課題感を持っていますか。

寺田:現状はまだまだ人材が足りていません。やりたいことや実現したいことはたくさんあるのですが、リソースが不足しています。我々カスタマーサクセス部も、切実に人材を求めています。チャットなどを通じた顧客との直接のやり取りはもちろん、営業経由でもニーズが蓄積されていて、改善に向けやるべきことがたくさんあるからです。

――若手人材にとってBearTailのカスタマーサクセス職の魅力とは。

寺田:スピード感を味わいたい方にとっては最適な場所ではないでしょうか。サービスの導入はもちろん、リリースしていく新機能開発のスピード感も半端ではありません。かつ、リリースした機能を利用するユーザーは数百社・数万人います。このインパクトで自分の力を試せる環境はそうそうないはずです。

同じ年齢のビジネスパーソンでも、一つ一つの決断の速度や重さが大企業とは違います。大企業では上司から「これをやっておいて」と言われて、「やっておきました」と返すようなやり取りが多いと思うんですね。自分で考える幅がとても狭い環境です。

BearTailのカスタマーサクセス職では、もっと徹底して顧客の厳しい目と向き合います。純粋なカスタマーサクセスの視点でフィードバックを集めつつ、「Move Fast」のバリューの下、高速でPDCAを回します。

サービス導入時には顧客と対話をして、意思決定を促します。その決定が顧客に“時間革命”を起こせるか起こせないかを左右することになります。私が身をもって感じていることですが、個人の成長スピードが、まったく違うんです。

この仕事をしていると、日頃から口をついて出る言葉も、自然と変わりますね。「やってみたい」ではなく「やってみる」。「変えてみよう」ではなく「変えてみた」。「良い結果が出ない」ではなく「改善しよう」といった感じです。

――ご自身の今後の目標についてもお聞かせください。

寺田:根本にあるのは「BearTailのファンを増やしていきたい」という想いです。

BearTailのサービスを複合的に使うことで家族との時間が増えたり、友だちとの時間が増えたり、趣味に使う時間が増えたり…。そんな豊かな時間を創出できる「時間メーカーとしてのプロダクト」を次々と生み出し、いずれはユーザー同士がコミュニティーを作ることによって生まれる様々な声を基に、最適解を示していきたいです。

これは黒﨑もよく言っていますが、僕たちは経費精算だけをやりたいわけではありません。直近では経費精算の市場で最大限の価値を創出しつつ、将来的にはBearTail(北極星)という社名が表すように、人々の“道しるべ”と言える存在になりたいですね。

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